データフロー(DFD)を作成してシステムを理解する
データフロー作成することで、システムを理解することができます。本章ではデータフロー作成するメリットやノウハウについて詳しく説明します。
目次
1.データフロー(DFD)とは
1-1.DFDの特徴
2. データフローを作成するメリットとは?
3.データフローのデメリットは?
4.データフロー図を作成する際のポイント
5.データフローを作成する際の注意点について
6.データフロー図の例
7.データフロー(DFD)を作成してシステムを理解する
8.まとめ
1.データフローとは
データフロー(DFD)とは、システムにおけるデータの流れを表した図のことです。データの流れを書くことでシステムの機能を洗い出します。 システムの設計に使えるのはもちろん、業務フロー分析にも使うことができます。
具体的には
・情報やデータがシステム内でどのように移動するかを表す概念になります。
・データの生成元から処理や変換を経て、最終的な出力先までの経路を示します。
・データの流れや依存関係を視覚化し、システムの機能やプロセスを理解するのに役立ちます。
・データの入力、処理、出力のステップを明確にし、システムの効率性や信頼性を向上させるために使用されます。
1-1.DFDの特徴
データフローの特徴としては、
・データがある場所から別の場所に移動する方法です。
・情報の流れを管理し、処理や分析を行うために使用されます。
・変換、出力のステップから構成され、データの移動や変換の手順を定義します。
2.データフローを作成するメリットとは?
・プロセスの可視化
システム内のデータの流れや処理のステップを視覚化することができ、システム全体の機能やプロセスを理解しやすくなります。
・問題の特定と解決
データの移動や処理の過程で問題が発生している箇所を特定することができます。問題発生時に原因を特定し、効果的な解決策を見つけることができます。
・パフォーマンスの最適化
データの移動や処理のステップを詳細に分析することができます。ボトルネックや無駄な処理を特定し、システムのパフォーマンスを最適化することができます。
・情報共有することで作業効率化
複数のメンバーがシステムのデータフローを共有し、理解することができます。チーム全体で情報共有ができ、作業効率化することが可能です。
・システムの保守性の向上
システム内のデータの流れや処理のステップを文書化することができます。将来的な保守や修正作業が容易になります。
3.データフローのデメリットは?
・複雑さ
データフローを作成するには、システム内のデータの移動や処理のステップを詳細に理解する必要があります。特に大規模なシステムでは、データフローの作成や管理が複雑になる場合があります。
・メンテナンスの困難さ
データフローが変更されると、それに応じてデータフローの修正や更新が必要になる場合があります。特に複雑なデータフローでは、変更の影響範囲を正確に把握することが難しくなる場合があります。
・リスク管理
データフローには、データの移動や処理の過程でセキュリティ上のリスクが存在する可能性があります。データの漏洩や改ざん、不正アクセスなどのリスクを管理するために、適切なセキュリティ対策が必要です。
・パフォーマンスの制約
データフローには、データの移動や処理のステップが含まれています。データの処理速度やパフォーマンスに制約が生じる場合があります。特に大量のデータを処理する場合やリアルタイム性が求められる場合には、パフォーマンスの最適化が必要です。
・コスト
データフローの作成や管理には、時間やリソースが必要です。特に複雑なシステムでは、データフローの設計や実装に多くのコストがかかる場合があります。
4.データフロー図を作成する際のポイント
・プロセスの特定
データがどのように移動・処理されるかを理解するために、データフロー図を作成する対象となるプロセスを特定します。
・データフローの識別
プロセスに入力と出力がある場合、それぞれのデータフローを識別します。データフローは矢印で表現され、データの移動方向を示します。
・データストアの特定
プロセスの間でデータが保管される場所を特定します。データストアは四角形で表現され、データの一時的な保存場所やデータベースなどが含まれます。
・外部エンティティの特定
プロセスと直接関係のない外部のエンティティ(人、組織、システムなど)を特定します。外部エンティティは丸で表現され、データの入力や出力を行う主体となります。
・データフローの説明
各データフローに対して、その内容や目的を簡潔に説明します。例えば、「顧客から注文情報を受け取る」といった具体的な説明を追加します。
・データフロー図の作成
上記の情報をもとに、データフロー図を作成します。ツールやソフトウェアを使用する場合は、それに合った方法で図を作成します。
5.データフローを作成する際の注意点について
・目的を明確にする
データフローを作成する前に、目的を明確にすることが重要です。どのようなデータを処理するのか、どのような結果を得たいのかを明確に定義しましょう。
・データの入力と出力を把握する
データフローにおける入力データと出力データを正確に把握しておくことが必要です。どのような形式のデータが必要で、どのような形式で出力されるのかを確認しましょう。
・データの品質を確保する
データフローにおいては、入力データの品質が結果に大きく影響します。データの正確性や完全性を確保するために、データ品質のチェックやクレンジングの手法を適用しましょう。
・データのセキュリティを考慮する
データフローにおいては、データのセキュリティも重要です。適切なアクセス制御や暗号化などのセキュリティ対策を実施し、データの漏洩や改ざんを防止しましょう。
・モニタリングとエラーハンドリング
データフローの運用中にエラーが発生する可能性があります。適切なモニタリングとエラーハンドリングの仕組みを用意し、問題が発生した場合に迅速に対応できるようにしましょう。
・拡張性と保守性を考慮する
データフローは変化する要件に対応できるように設計する必要があります。将来的な拡張性や保守性を考慮し、柔軟な設計を心がけましょう。
6.データフロー図の例
一般的に使用されている、受発注在庫管理システムをデータフロー図で示すと下記の図になります。外部エンティティは、「顧客」「物流倉庫」になります。インプットは商品受注データ、アウトプットは顧客に届けられる商品になります。
この例では、外部エンティティからデータが入力され、プロセスで処理された後、データストアに保存されるというデータフローが示されています。外部エンティティはデータの入力元であり、プロセスはデータの処理を行い、データストアはデータの一時的な保存場所です。
具体的なシステムやプロセスに応じて、このデータフロー図を拡張したり、複数のデータフローを追加したりすることができます。データの流れや関係性を視覚的に表現することで、システムやプロセスの理解を深めることができます。
7.データフロー(DFD)を作成してシステムを理解する
上記で記載したデータフローを自分で作成することで、システムの流れが理解することができます。作成時に不明点が出てきた際は、確認することで認識齟齬を無くすことができます。作成タイミングとしては、要件定義で実施することで、後工程以降の後戻りを軽減することができるので、是非作成して下さい。
8.まとめ
データフロー図は、システムやプロセスの概要を視覚的に表現するための有用なツールです。各要素の特定とデータフローの可視化により、システムの理解や分析を支援します。具体的なシステムやプロセスに応じて、データフロー図を適切に拡張してください。
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