【ソフトウェアテストレビュー観点 】
テスト設計書が完成した時点で、レビューを実施しますが、正しい観点でレビューしないと、テストケース作成漏れが発生してしまいます。事前に対策を打つ事で、一定水準のテストケースを作成することが可能です。
レビューを実施する理由とは
テスト設計書を第三者のレビューを実施することで、正しくテスト設計できていることを確認します。また操作方法や実施手順、判定条件に間違いが無いことを確認すること、テストケースの漏れがないことを確認することで、一定水準のテストケースを作成することが可能になります。
ソフトウェアテストレビュー観点について
1. テストケース作成時の注意点について
テストケースを作成するにあたり、テスト方針をチーム全体で決定することが大切です。確認する内容を事前にリストアップしておくと、漏れ抜けが少なくなります。セルフチェックリストをイメージしてください。
昨今では、テストケース作成者とテスト実施者が違う場合が多いので、テスト実施時の観点や操作方法、手順等を間違えずに記載することが重要です。
作成が完成したら内部DRを実施して、テストケース漏れがないか、操作方法に間違いがないかをチェックしてもらいましょう。
一般的に言われている、外部仕様書や設計書からテスト設計を実施するので、記載されている内容の確認、境界値、正常系、異常系、高負荷試験、性能試験、組合せ試験、画面テスト、過去不具合、意地悪試験等の想定される内容をすべて確認します。
作成段階で疑問点を感じたら、QAシートを作成して設計者に確認することをお勧めします。
2. 内部DR実施時の注意点について
書面DRで良いので、時間をかけて必ずチェックして下さい。下記項目のチェックが重要です。
・観点漏れがないことを確認する。
・操作手順、判定条件に間違いがないことを確認する。
・誤字・脱字のチェック
観点漏れをチェックする為に、マトリクスを作成して漏れがない事を確認します。マトリクス作成時の確認方法・観点については、下記に纏めてあるので、ご確認下さい。
※プロジェクトによっては、DR時間が短く内部DRを実施していれば観点漏れや誤字・脱字・ドキュメントの指摘ができるので、正式DR時の指摘内容は精度の高い指摘となります。
3. 指摘事項修正について
内部DRで指摘された内容を修正します。大きな指摘がある場合は、十分な時間をかけて修正して下さい。また同じ指摘がないように、チェックリスト等に追加しておくことをお勧めします。
※大きな指摘を少なくする為に、最初の1機能は日々チェックした方が、後戻りが無くなります。
4. 正式DR実施時の注意点について
新規機能については、必ずDRを実施します。プロジェクトによっては、DR実施時間、指摘内容の件数、指摘内容の分析が必要になり、指摘が多い機能については、再DRを実施して、テストケースに漏れがない事を確認します。
またDRを実施する際は、お客様と設計者に参加していただきましょう。不明点の確認や、設計側の観点での追加確認依頼が来ることが多いので、指摘事項は忘れずに追加しましょう。
1機能につき1時間のDRを実施した場合、追加依頼件数が5件以内あればOKですが、観点漏れを含めて5件以上の場合は、再度DRを実施するか内部DRを実施して漏れがないことをチェックして下さい。外部仕様書や設計書に記載がない場合は、設計者に追加記載を依頼して下さい。
5. 指摘事項修正について
正式DRで指摘された内容について修正します。特に追加依頼項目については作成完了後に再度DRを実施して下さい。また同じ指摘をされない様に、各メンバーに指摘事項を水平展開することも大切です。
また指摘事項については、分析資料として使用するので、指摘事項一覧に指摘内容を記載し、指摘された原因を記載します。
6. 再DR実施する
追加依頼項目の内容確認と、観点漏れの確認を実施します。修正されていることを確認して完了です。前回のDR時に指摘された内容を纏めておき、修正したことを確認しながら進めると、円滑に進みます。
※プロジェクトによっては、書面DRで完了する場合もあります。
おわりに
テスト設計書の作成は、テストに関わる一番の鍵です。作成時間、内部DR時間、修正時間を十分にとり、内部でしっかりと実施することで、後戻りが少なくなり結果的には効率的に作業することができます。
また正式DRも大切なので、どこまで時間を取るかが一番のポイントだと思いますが、まとめて数回に分けて実施するか、1機能1時間を目安に時間を確保するだけでも、品質は変わりますので、時間を確保することが大切です。
テストフエーズになると、予想以上に不具合が多く発生し、想定外の事態が発生します。比較的余裕のあるテストケース作成時に、想定される内容を検討しておくことがポイントです。
また開発者とコミュニケーションを上手く取ることで、テスト開始後の不具合の説明や追加項目の対応時に、円滑に進むことが多いので、普段から良好な関係を作ることをお勧め致します。
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