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【基礎編】『ソフトウェアテスト試験仕様書の記載方法』


今回はソフトウェア品質を確保する上で、必ず実施する試験仕様書の記載方法について、ご説明させていただきますので、最後までお付き合いをお願い致します。

ソフトウェアテスト試験仕様書の記載方法についてご説明致します


目次

1.|試験実施環境

2.|試験内容

3.|試験操作手順

4.|実施結果有無

5.|テスト項目番号や記号(通し番号)

6.|テスト実施日(年月日)

7.|テスト担当者

8.|不具合報告票番号(発生した不具合詳細内容を報告する帳票の識別番号)

まとめ

アドバイス 2022/06/21追記



1. 試験実施環境について

試験仕様書の先頭に、試験実施環境を記載します。

具体的には、ハードウェア環境、ソフトウェア環境、ネットワーク環境など、「どの環境でテストを行うか」を説明します。

ポイントとしては、要件定義書に記載されている環境と同じであること。

相違点がある場合は違いを明確にし、要件定義書に記載されている内容を満たしている事を確認する事がポイントです。

例えば、試験環境に制限がある場合は、事前に「標準構成」と「負荷構成」と分けておくことで、テスト実施時に混乱しなくなりますよね。

2. 試験内容について

試験仕様書を作成する際に、項目名の一覧化と詳細内容の明確化をお勧めします。

下記に参考例を記載しました。

・全体編

ポイントとしては、どの項目で何を実施しているのか、確認できます。

仮に試験漏れが発生していても、即追加すれば、問題は解決します。

チームメンバー間でレビューする際も、非常に役立ちます。

また一覧を記載することで、複数人で試験仕様書を作成する際にも、詳細内容まで決定している為、混乱することが少なくなります。

上手に活用することで、プロジェクトがスムーズに進みます。

3. 試験操作手順について

ポイントは、「試験実施時の操作手順を明確に記載すること」です。

誤解が与えない文章・曖昧な記述はしないと言われますが、難しいですよね。

ここでは、既存機能、新規機能に分けて記載します。

■既存機能の試験仕様書

ポイントは、「誤解を与えずに誰でも試験することができるか」です。

その為には、常にメンテナンスが必要です。

①試験実施中に、文章がおかしい場合は、元の文章は残したままで、修正文章を追加する。

②試験完了後の資料整理期間の際に、試験仕様書を修正する。

 その際に元の文章は削除して、改定履歴を追加する。

③改定内容を、リーダが確認する。

①~③既に実施済みだと思うので、さらなる品質向上の為に下記内容を実施することをお勧めします。

新メンバーに、改定後の試験仕様書で、テストを実施してもらいます。

メリットを記載します。

【新メンバー】

 ・試験仕様書を確認することで、立上げがスムーズになる。

 ・不明点があっても、気軽に確認することができる。

 ・コミュニケーションを取ることができる。

【リーダ】

 ・新メンバーがテストを実施することで、試験仕様書に矛盾点、記載漏れがない事を確認できる。

 ・質問された項目についての、記載方法について再検討することが出来る。

 ・その都度試験仕様書を修正する為、誰が試験してもスムーズに実施することが出来る。

■新規機能の試験仕様書

ポイントは、「試験実施項目を厳選することです。」

新規機能なので、確認すべき項目は沢山あると思います。

全項目実施する必要がある為、抜粋せずに試験仕様書作成時に、厳選して作成することが最大のポイントです。

必要な機能を洗い出し、マトリクスを作成することで、漏れ防止と重複項目を削減することをお勧めします。

4. 実施結果有無

ポイントは、「誤解を与える文章を無くし、試験結果を正しく記入すること」です。

不具合発生時に、試験仕様書にどう記載すべきか、ルールを明確化することをお勧めします。

例:不具合発生時は、試験仕様書に吹き出しで、不具合報告票番号を記載する。

5. テスト項目番号や記号(通し番号)

試験仕様書作成時に、各項目に章番号、テスト項目番号、通し番号を記入して下さい。

6. テスト実施日(年月日)

テスト実施日、開発環境を記載できる欄を設けて下さい。

7. テスト担当者

誰が実施したのかが分かる様に、テスト担当者欄を設けて下さい。

8. 不具合報告票番号(発生した不具合詳細内容を報告する帳票の識別番号)

不具合の際は、不具合報告票番号を記載します。

再現手順、確認Ver、発生するタイミング等、必要事項を記載できる様にしておきましょう。

事前に雛形を準備しておき、記載方法の説明、注意点を纏めておくと、新メンバーは安心すると思います。


|まとめ


試験仕様書を作成するにも、事前に検討すべき内容が多々あります。

・試験内容詳細一覧

・試験仕様書のフォーマット

・不具合報告票番号のフォーマット

上記についても雛形を作成していきますので、皆様ご活用下さい。


|アドバイス


試験仕様書作成は簡単に思われがちですが、考慮点が多く技術が必要になりますので、ノウハウを蓄積するのが最大のポイントになります。


第三者試験により発見された不具合は必ず試験仕様書を見直し、ナゼ漏れが発生してのかを振り返り、不足部分については試験仕様書を追加しましょう。


単に試験仕様書を追加するのではなく、レビュー方法を見直したり、高負荷試験や意地悪試験、市場不具合を網羅し類似不具合を発生させない工夫が必要です。工数が多くなりますが、品質を担保する上では必要なことです。


#ソフトウェアテスト試験仕様書の記載方法

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